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ステアリン酸アルミニウム (モノ,ジ,トリ)タイプ
Aluminium Stearate (Mono, Di, Tri)Type

ALUMINIUM STEARATE 商品名:アルステ

Typicalproperties Type Total ashcontent % Metalcontent % Free radicalfatty acid % Meltingpoint ℃ Moisturecontent %
Mono Di Tri
#20     11.5±0.8 5.4±0.3 ≦6.0 170±6 ≦1.5
#30   9.9±0.8 4.8±0.3 ≦10.0 160±6 ≦1.5
#30Veg   9.9±0.8 4.8±0.3 ≦10.0 160±6 ≦1.5
#32     9.3±0.8 4.5±0.3 ≦12.0 150±7 ≦1.5
#32Veg     9.3±0.8 4.5±0.3 ≦12.0 150±7 ≦1.5
#33     8.2±0.5 4.2±0.3 12.0±3.0 140±7 ≦1.5
#35   7.9±0.5 3.9±0.3 16.0±3.0 130±7 ≦1.5
#50     7.0±0.8 3.4±0.3 24.0±4.0 120±10 ≦1.5
#60     6.8±0.8 3.2±0.3 31.0±4.0 110±10 ≦1.5
 

FORMULA: Al(RCOO)n (OH)3-n
  (n=1,2,3)   R: alkyl group
APPEARANCE: White fine powder
GRAIN SIZE: ≧95% (200 mesh pass)
PACKING FORM: 10kgs paper bag

Veg: Vegetable type



これらの石鹸は複分解法により製造したもので、白色微粉末で他の多くの金属石鹸と同様に、平滑性と高度の撥水性を有します。
多種の有機溶媒に良く溶解して、そして多くの場合その溶媒中でゲルを形成します。
アルミニウムは3価の金属なので、広範囲な化学的物理的性質を有するいろいろの脂肪酸塩が作れます。
製造条件や使用原料により、それらの性質を変えることができます。
B.T.X、シクロヘキサン、四塩化炭素、鉱物油、動植物油、脂肪酸等の溶媒と加熱すれば溶解しますし、その後に冷却すれば、ゲルを伴った溶解になります。
水、低級アルコール、エーテル、ケトン等には溶解しません。

  1. 塗料工業における用途
    凋度調節、顔料沈澱防止と分散、防水、艶消し、塗膜硬化、結晶塗面現出剤などとして多用されます。
    塗料に使用する場合、最も一般的に次の方法が使われています。
    a)あらかじめ溶剤で、加温ゲル化したものを塗料中に分散させる。
    b)体質顔料とベヒクルの一部でペーストとしたものを使用する。この場合、ロールなどを使用して均一なペーストにしておく。
    c)粉体のまま混合する。
  2. 潤滑工業における用途
    潤滑剤工業の中では、グリース工業に最も多く使用されます。
    ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸リチウムも多く使用されますが、ステアリン酸アルミニウムは、加圧に対して油を保持する力が強く、また見掛粘度の増加もステアリン酸カルシウムより顕著であります。
    特に耐寒性グリースにした場合、耐寒性、高滴点、安定性などの諸性質の優れたものになります。
    その他、耐水性、透明性に優れた付着力の強いグリースを作ります。
    ステアリン酸リチウムは、さらに一層優れたグリースを作りますが、価格の点では、ステアリン酸アルミニウムの倍以上の費用がかかります。
    伸線用潤滑剤として、そのままか、石鹸の溶液として使われます。
    また酸化防止、スラッジ防止、腐蝕防止などの機能を発揮します。
    ディーゼルエンジン用潤滑剤にも使用されます。
  3. 防水剤としての用途
    a)コンクリートの防水
    セメントに直接混合して、又はエマルジョン、あるいは溶剤に溶かして使用されます。
    天然および人造石材などの防水に、紙、繊維類の防水にも同様にして使用されます。
    モルタルセメントに使用して防水材として養生時の保水性を有し、かつ伸縮によるひび割れを起こしにくくするものとして、使用されるようになっています。
    b)木材、紙、繊維工業
    パラヒン、ワックス、テレピン油などを使用して、エマルジョンの形でまたは油性の形で使われます。
    その他ナフサ、ミネラルターペンなどの溶剤で1~5%溶液としてハケ塗り、吹き付け、ローラー施工などの方法で、キャンバス、帆布、包装用具などに防水性を与えます。
    皮革レザーなどの防水材、防朽材になります。
    例えば、ステアリン酸アルミニウム、ブドウ種子油、ベンゼンの混合物を使用すると、皮革の耐水、耐寒性を増加させます。
  4. 印刷インクにおける用途
    懸濁剤、増粘剤及びいわゆる腰を強くするのに使用されます。
  5. プラスチック工業における用途
    15~20%添加することにより、プラスチゾル、ゲルの転移剤として使われます。
  6. 金属工業における用途
    粉末冶金の滑剤、伸線剤また金属表面に保護膜を形成する防錆剤としても使われます。
    アルミニウム等の冷間圧延用滑剤においては他の金属石鹸よりも優れており、電池容器の成型用滑剤として昨今注目されています。
  7. 食品、製菓、化粧品における用途
    接合、乳化、固結防止剤として食品に添加して使用されます。
    化粧品、製薬にはゲル化剤、粘度調整剤として使用されます。
  8. その他の用途
    ペニシリン、また消火剤などの安定剤としても使用されます。


砂に数パーセントのアルステを混合して、撥水砂(写真:ビーカー右)を作成した状況。